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稲の生育状況を正確に知る為に行うのが、稲の生育調査(人で言えば定期健康診断みたいなもの)です。
人間は健康診断の結果で食べ物に気をつけたり、薬を飲んだりします。稲も同じで肥料をやるにしても、田んぼ別に判断し、適正な施肥をする為の具体的数字が分かる、稲からの貴重なメッセージなんです。
人も個性があるように、田んぼだって個性があります。肥料の過剰な散布は、稲の倒伏や食味の低下、病気発生の要因にもなりかねません。
サン・ファームでは、稲の生育状況を正しく把握し、美味しくて安心、環境にもやさしいコシヒカリ作りを心がけています。 |
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生育調査と平行して行っている抑草作業の一つ、除草機押しです。深水・米ヌカによる抑草はしているものの、ヒエやコナギ等は完全には押さえ切れません。
無農薬有機栽培では、様々な抑草作業を行い、稲が生育過程で優位に立てるように手助けすることしか出来ないのです。
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各圃場観測点を設定し毎週一回、草丈(人では身長)・葉齢(人では年齢)・茎数(家族構成みたいなもの)・水深(浅いと抑草の効果がない)・有機物の発酵による水面下の遮光度等を調査しています。
平成18年は、日照時間が、平年の八割程度で、降水量が平年の約1.3倍と天候不順で、初期成育がやや遅く心配しておりましたが、6月に入り気温も上がりそれに伴い圃場の水温も上昇し、根も元気を出してきました。
米ぬかペレットの分解もすすみ遮光度も増してきました。ヒエ等も芽が出ているには、出ていますが、深水と遮光のおかげで、根が殆ど張っておらず、葉も元気がありません。この状態なら稲が優勢になり草は稲に負けてしまいます。 |
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田んぼに散布する有機肥料は、地場産の有機物(米ヌカ・堆肥・くず大豆・オカラ等)を中心に、各田んぼの生育状況を見ながら散布します。
写真に見える小さなマリモみたいな物がなんだか分かりますか?
これは散布した、くず大豆に藻が繁殖した物です。田んぼの中は、実に様々な生き物達が生活をしていて、見る度に様々な出会いと感動があり、私を楽しませてくれます。 |
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この頃の田んぼの土を触ってみると、フワッ〜トロ〜っとした感じがします。田んぼで糸ミミズや微生物が活発に活動している証拠です。
このトロトロ層がヒエ・コナギ等を抑草する働きもあります。田植の後、私を困らせたのがモグラとカラスでした。モグラは田んぼのミミズが好きらしく、畦の中を縦横無尽に掘り進み、畦に穴を開けてくれて、そこから水が漏水し、浅くなった水位の所を今度はカラスが苗をついばんだり、踏んづけたりとやりたい放題。
生き物との共存は大変なことだと噛み締めながら、畦を修復し苗を植え直しました。5/25〜6/30 |
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今年は、出だしの天候不順で稲の生育も例年に比べ、伸び悩んでいましたが、ここにきて大分天候ももち直し、稲の生育も良くなってきました。
天候不順な年ほど一般栽培と有機栽培では違いがハッキリと出ます。写真左からサン・ファームコシヒカリ、真ん中が一般有機栽培コシヒカリ、右が慣行栽培コシヒカリです。
一本一本の茎の太さ・色・横への茎の広がりが違います。これは稲一本一本の育つスペースが広いか狭いかによって大きく違います。稲がストレスを感じない広々とした生育環境のもとで無農薬コシヒカリは栽培管理しています。 |
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7/13の生育調査の写真です。コシヒカリの株元にとんぼの幼虫ヤゴの抜け殻がついていました。写真を見て頂ければ、稲一本一本のスペースの広さや、どの様な水管理をしているかが分かってもらえると思います。
水深は茎の太さを揃える為や抑草効果の為に一定以上に保つように管理し、稲の株元まで太陽の光が届いている様子が見えます。
今月の始め位から田んぼでは、蛍が飛んでいる姿を確認出来る様になりました。子供の頃は当たり前だった光景ですが、今自分が農業という職業を通して、管理する田んぼに、蛍が自然の状態で生息していて、実際に飛んでいる光景を目の当たりにした時は感動しました。
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無農薬有機栽培コシヒカリの穂肥えとして、くず米を散布したところ、20aの田んぼに野生の鴨が20羽程もいて、米をついばんでいました。肥料として散布したはずが、鴨達が田んぼを歩き回ってくれたおかげで、除草効果になっていたらしく非常に綺麗な状態でした。
鴨達が食べた分は、鴨達が除草してくれた分の給料ということにして、肥料効果は期待しないで、別の物を散布することにしました。来年は意識的にやってみようかと思っています。野生鴨農法コシヒカリ。7/6〜7/22
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新潟も8月に入り暑い日が続き農作業は大変ですが、もうじき収穫です。ここまで来ても他の稲達と比べ、サン・ファームの稲達にはまだまだスペースがあり株元まで、光が届いています。それに比べ一般の栽培では過繁茂となり下の方へは光が届いていません。
この時のコシヒカリ分けつ茎数が一般は35〜45本、サン・ファームは20〜25本程度です。この数がサン・ファームは刈り取り期まで、殆ど変わらないのに対し、一般のコシヒカリは半分近くが枯れて死んでいって、無効分けつとなってしまいます。 |
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多収穫を求めるとどうしても生育環境に無理が出てきて、稲にもストレスがかかり、病気になったり、体調が悪くなったりします。そうならないように農薬で予防する訳です。健康な稲にはその心配がないので、農薬を必要としないお米作りが出来るのです。
稲の花はとても小さく白い可愛らしいのが咲くんですよ。稲の株元では、他の草達も花を咲かせていました(苦笑)新潟サンファームの8月初旬頃の様子 |
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新潟県でも極力農薬を使わないように減農薬栽培による・・・というような生産農家の方でも、田んぼの周りの道路やあぜ等には、意外と平気で除草剤を使っている方が多いのもまた現状です。右の写真、これは田植直後ですが、春に自然の草がこんな状態になるはずがありません。農薬や除草剤というのは、本当に便利ですが恐い物です。 |
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コシヒカリの葉色に注目して下さい。左はまだ十分に体に養分が残っている状態なので、青々していますが、右は色がさめ始めています。この時期の葉の色を見れば、どの様な目的で栽培しているのかが良く分かります。
左(一般)は収量重視コシヒカリで、右(サン・ファーム)は収量を求めない分、食味としてもみ(米)に蓄えさせているコシヒカリです。新潟県9月初旬頃の様子 |
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9/25コシヒカリの稲刈りが家族総出で始まりました。刈り取りの最終段階において、他の田んぼのコシヒカリとも見た目にもハッキリと違うのが分かって頂けるとおもいます。
サン・ファームのコシヒカリは他のコシヒカリに比べ、黄金色の濃さが一段違います。写真中央左は新潟県認証の特別栽培米として作っているものとサン・ファームのJAS有機栽培米(写真中央右)の田んぼの比較写真です。どちらが良い悪いではなく、生産者によってこんなにも稲の姿は違ってくるのです。
ちなみに同じコシヒカリとして書きましたが、片方は新品種コシヒカリBL(新潟県産のほぼ全量がBLです)とサン・ファームは従来コシヒカリですのでもしかしたら、その辺も稲の姿に影響しているのかもしれません。収穫後のもみ殻は全量田んぼへ肥料として散布して、その後堆肥を散布し、トラクターで秋のうちに耕します。そうすることで稲わらも肥料として有効に活用しています。 |
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